しにあせん これまでの入選作品



 2018年 5月入選作品


自 由 吟

試着室どんなの着てもマタニティ 荘子 隆(宮崎県宮崎市・67歳)
レイ着けりゃ婆もいっぱしフラガール 斉藤道子(東京都三鷹市・65歳)
回る寿司食べて満足誕生日 真田義子(仙台市太白区・72歳)
母の日に子等がドヤ顔仏花くれ 内田順子(東京都三鷹市・70歳)
おままごと父さん役がお茶を出し 金子和子(東京尾豊島区・83 歳)
遠距離の電話に声を張り上げる 鴨井喜子(福島県会津若松市・71歳)
定年の花束主婦も貰いたい 長崎正子(東京都三鷹市・73歳)
茶のみ友ストレス吐きに会いに来る 福島和江(東京都豊島区・65歳)
長居して出涸らし出され暇乞い 木村忠信(東京都豊島区・78歳)
転居して回り回ってふるさとへ 濱島明夫(三重県伊勢市・62歳)
披露宴親にとっては疲労宴 横手敏夫(埼玉県南多摩郡・64歳)
茶柱も時によりけり通夜の席 吉澤康裕(東京都豊島区・74歳)
不祥事を詫びる社長を??る社是 沢田正司(愛知県常滑市・80歳)
いさぎよく散らぬ桜に心寄せ 浅見忠司(東京都三鷹市・67歳)



課 題 吟 「窓」  

髪きって窓を鏡にポーズ決め 萩原倫子(東京都千代田区・71歳
夜汽車の窓知らない自分映ってる 亀津房子(東京都大田区・67歳)
窓口の女性が好きで医者通い はぐれ雲(東京都西東京市・68歳)
病室の窓の外では四季走る 茶唄鼓(広島県福山市・64歳)
窓口の可憐なあの子今じゃ妻 横手敏夫(埼玉県南多摩郡・64歳)
窓際を妻にゆずって空の旅 美川州平(神奈川県相模原市・85歳)
旅帰り窓の明かりにほっとする 沢田正司(愛知県常滑市・80歳)
いい風を吸い込むための窓を開け 風間なごみ(山梨市甲府市・77歳)
窓開けて向いの窓とこんにちは 國定伊代子(東京都千代田区・77歳)
窓見上げ君の姿を追った恋 鴨井喜子(福島県会津若松市・71歳)
窓際に小鳥舞い降り春歌い 長嶋昭美(横浜市緑区・85歳)
小窓からメタボの猫が外に出る 荘子 隆(宮崎県宮崎市・67歳)
窓越しに見える隣の青い芝 松永成三郎(千葉県船橋市・83歳)
窓辺には悲劇とロマン潜んでる 岡田久男(東京都大田区・79歳)
思春期は心の窓がうす曇り 橋本勝三(埼玉県所沢市・69歳)
同窓の名前出ぬまま交わす酒 安藤昌之(千葉県浦安市・70歳)
明眸と駅近好きな億り人 山岸由美子(東京都中央区・年齢不詳)
億ションの窓から臨む夢の島 無我夢中(千葉県柏市・69歳)
窓口の笑顔選んで金下ろす 横山閲治郎(兵庫県西宮市・67歳)
幸せが逃げないように窓閉める 比良正弘(川崎市中原区・90歳)
締め切りの隣の窓が気に掛かる 岩窟王(さいたま市大宮区・73歳)
顔ぶつけ開いてはない窓だった 長田博昭(東京都葛飾区・73歳)
窓なんか開けて眠れぬ都会の夜 岡本充敏(東京都大田区・59歳)
スカイツリー床にガラスの窓がある 藤井敬三(東京都稲城市・77歳)
一見平和宇宙船から見る地球 長島秀治(千葉市中央区・79歳)
窓際を羨ましがる若い人 石田達夫(千葉県市原市・65歳)
窓際に座ることなく親介護 木村忠信(東京都豊島区・78歳)
窓際は栄枯盛衰生きた社史 遠藤靖彦(千葉市稲毛区・79歳)