しにあせん これまでの発表作品



 2016年5月発表作品


自 由 吟

片付けの上手い娘が片付かず よもやま話(奈良県宇陀市・72歳)
花嫁が料理されてる披露宴 沢田正司(愛知県常滑市・78歳)
乳飲み子が噴水上げるおむつ替え 木村忠信(東京都豊島区・76歳)
爺と婆大好きお金はもっと好き 鴨井喜子(福島県会津若松市・69歳)
花まるがスキップしてるランドセル 和田ふみ緒(東京都板橋区・82歳)
少子化で乳母車には犬が乗り 長妻創太郎(東京都豊島区・77歳)
石橋をたたき過ぎたか杖折れる 小山博史(東京都三鷹市・76歳)
贈られた杖立派過ぎ飾り物 小泉恵子(東京都三鷹市・年齢不詳)
杖よりもお前の腕にすがりたい 加藤祐子(東京都調布市・69歳)
節約の暮らしに馴れて今ゆとり 高木正明(さいたま市中央区・80歳)
ボケ防止スマホ始めてノイローゼ もず吉(大阪府堺市・83歳)
探してるうちに他のを見失い 葛西文夫(埼玉県朝霞市・88歳)
町医者で三日見ないが病気かな ナフタリン(福岡市南区・69歳)
余命知り眠る時間が惜しくなる あめんぼ(東京都稲城市・75歳)
早ょ来いと亡夫が手招く七回忌 ボケ爺さん(山口県玖珂郡・74歳)
食細りお子さまランチそそられる 坂本孝子(東京都豊島区・年齢不詳)
頬杖もため息もつく一人酒 浅見忠司(東京都三鷹市・67歳)


課 題 吟 「冗談」  

冗談は人づきあいの潤滑油 長島秀治(千葉市中央区・78歳)
そのむかし真に受けたひと今の妻 岡田久男(東京都大田区・76歳)
死んだ真似すかさず妻は気絶真似 美川州平(神奈川県相模原市・82歳)
冗談と気が付くまでのタイムラグ 山岸由美子(東京都中央区・年齢不詳)
難解なジョークに凍るブライダル 外村さおり(千葉県佐倉市・60歳)
ほめ言葉冗談なのに妻感謝 木村忠信(東京都豊島区・76歳)
冗談は元気に咲いた花のよう 吉沢かおる(東京都中央区・64歳)
ユーモアがあって品格見え隠れ 川上芳信(栃木県宇都宮市・65歳)
ジョーク言う先生なぜか人気あり 鎌田康裕(山形県鶴岡市・79歳)
孫相手冗談泣かれおもちゃ買う 福村まこと(京都市下京区・72歳)
冗談で猫の尻尾は引っ張れぬ はぐれ雲(東京都西東京市・66歳)
冗談がまことになって大慌て 松本 みか(大阪市阿倍野区・40歳)
初恋が冗談よと受け取られ 長嶋昭美(横浜市緑区・85歳)
冗談から出てきたコマをもてあます 橋本勝三(埼玉県所沢市・69歳)
老夫婦冗談言って助け合い 比良正弘(川崎市中原区・87歳)
冗談が言えてはじめて仲間内 表 明子(東京都新宿区・67歳)
マドンナの冗談じゃない変わり様 亀津房子(東京都大田区・67歳)
冗談を言ってる顔にしか見えぬ 草野たえ(佐賀県唐津市・60歳)
冗談と言いながら言う本心を 國定伊代子(東京都千代田区・77歳)
写真では冗談言わぬ祖父のかお 萩原倫子(東京都千代田区・71歳)
冗談じゃないと割り勘もたぬ下戸 星野睦悟朗(さいたま市浦和区・74歳)
的を得た冗談だけに胸を刺す 岩窟王(さいたま市大宮区・70歳)
冗談と分かっていてもまた揺れる 相模秋茜(神奈川県藤沢市・67歳)
冗談も通じなければ離婚危機 長田博昭(東京都葛飾区・71歳)
冗談のジャブで本音を打診する 安藤昌之(千葉県浦安市・70歳)
核持てと冗談も言うトランプ氏 寒河江孝子(東京都荒川区・69歳)
逝くときは冗談とばし逝くつもり 沢田正司(愛知県常滑市・78歳)
冗談を栄養にして生きている 藤井敬三(東京都稲城市・75歳)